「ビバ・オアハカ!」vol.1 “死者の日がやってくる!”

「よろしく!」スペイン語で言うと “¡Mucho gusto! ”「ムチョ・グースト」。

直訳すると「すごくうれしい」に似た意味になります。その時の握手はもちろん、メキシコの挨拶はハグや頬・こぶしを合わせるものなど触れ合うことが多く、関係もぐっと近くなる感じがします。とはいえ今は、現地も基本はステイホーム。私がお世話になっていた”Facultad de Idiomas“こと、オアハカ州立自治ベニートフアレス大学言語学部(以下Idiomas)は今期もオンライン授業を継続中です。

 

そんな中、今日、Idiomasのフェイスブックページの背景が変わっていました。エレガントな骸骨メイクや仮面をつけて歩く先生たち、、、そう!メキシコの一大イベント「死者の日」です!ディズニー映画、「リメンバー・ミー」で見たことはありませんか?

 

「死者の日」が行われるのは10月末から11月の初め。ハロウィンのような仮装大会やパレードがある一方、亡くなった人達が帰ってくるとされる、日本の「お盆」にあたる大切な伝統行事です。

 

この時期には学校でもみんなで大きな祭壇を作り、オレンジのマリーゴールドを中心に、果物やパン、カラフルな切り紙で飾り付けをします。仮装をして、マーチングバンドと一緒に道路を踊り歩いたり、伝統衣装に身を包んだガイコツメイクの学生が、地域に伝わる踊りを披露したりと、賑やかさの中にも伝統が感じられます。

Idiomasでは、毎月大きな行事や、各授業・クラブの内容を活かした催しがあるのですが、そこではいつも先生と学生の「距離の近さ」を感じていました。行事も踊りも、立場に関わらず、何かを一緒に純粋に楽しめる雰囲気が、私はすごく好きです。特別なイベントの時や、先生と学生の仲に限らず、学部全体の人と人との関わり合いがとても生き生きしています。

 

今年はみんなで集まって、というわけにはいきませんが、Idiomasでは”El concruso de caraveritas”「ガイコツコンテスト」がオンラインで企画され、投稿でも死者の日の定番、「パンとホットチョコレート」の写真をちらほら目にするようになってきました。「太ってもしょうがないよね、この時期だもん」なんてメッセージも流れ始めて、着実に、“Día de muertos”「死者の日」は近づいて来ているみたいです。

 

そんな賑やかな雰囲気の中でも、学校や市場、教会や各家々で、ろうそくの火が揺れる祭壇には何とも言えない静けさが漂います。亡くなった人の写真が飾られ、オアハカの伝統料理やお酒、好きだった食べ物などもお供えされます。その祭壇からまっすぐ伸びる、マリーゴールドの花びらで作った一本の道。このよく見られる光景には、「死者の世界からやって来る人達が道に迷わないように」という思いが込められています。市場であれば玄関まで、お世話になっていた大家さんの家では、玄関の扉まで、すぅーと花びらが敷かれていました。

 

意識してみると、日本でもマリーゴールドはよく植えられていて、帰って来てからは横を通るたび、不思議な気持ちになります。他にもアボカドや庭のトウモロコシ、濃い青い空など、オアハカの思い出がつい呼び覚まされるものは沢山あるのですが、それはまた、次の機会に!それでは最後はむこうのお決まりフレーズで!
”Nos vemos, cuidate mucho!” (またね、体に気をつけて!)

 

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