【留学生インタビューvol.2】金吉祥キン・キッショウ(中国延辺大学)

延辺大学 外国語学院 日本語学科2年 キン・キッショウ

 

日本の匠に憧れて、日本語教師を目指すようになった彼、朝鮮族も多い中国の延辺大学で、日本語・韓国語・中国語に堪能なキン・キッショウさんにインタビューをしました。
本学へは今年の10月から1年間の予定で滞在しています。
日本への熱い想いを聞いてみました。

 

―弘前大学への留学を決めたきっかけは?

 ヒロダイよりも元々日本に興味がありました、日本のアニメやゲームが好きで日本語を専攻しました。日本語を勉強する中で、最近中国で話題となった【匠の精神】に惹かれるようになりました。国土も狭く資源も少ない、自然災害も多い日本という国が、経済や工業の面で世界の根底になったことには、きっと日本のすばらしい文化によるものではないかと思い、日本へ行ってみたいという気持ちが湧きました。
 最初は地方よりも都市を希望したのですが・・・指導教師が「都会の人は冷たい、言葉を鍛えたいと思うのであれば地方に!」という推しもあり、奨学金などの制度も整っている弘前大学へと決心しました。両親は特に留学には反対はありませんでした、子の気持ちを尊重してくれる両親です!

 それと、太宰治が大好きなんです!特に【人間失格】が好きです。実際、太宰治まなびの家にも行きました。外の景色も良くて感慨深かったです。

 

―ヒロダイではどんな授業を?

日本語会話・日本語読解の2つを日本語授業に選んだんですが、他にも日本語の国際政治や歴史にも興味があって、それに合う授業を選んでいます。
特に【国際関係論】は3回目の講義で先生が変わっても、ユーモアやセンスがあってとても楽しく受けています。

 

―弘前の暮らしは?

中国からの留学生たちと

 

私が知っている日本は東京などの都会しか知らなかったので、青森空港に降り立ったとき、ここどこ?飛行機間違ったんじゃない?本当に日本かな~?と一瞬後悔しました。
でも、住んでみると弘前は中国のどこよりも空気がきれいです、お世辞ではないんですよ!
それに地元の人たちは親切で、いろんなところで声をかけてもらえます。

食べ物もおいしいです。毎日お刺身が食べれるんです!中国は魚を生で食べることが少なくて、ほとんど焼くか煮るかだけです、さらに刺身を出す店が遠い。ここでは近くのスーパーで簡単に買えます。
中国ではサーモンだけ食べていましたが、弘前でマグロの美味しさも知りました。
居酒屋の生ビールも気に入りました、中国には缶か瓶だけで生ビールがありません。
ただ一つ、卵かけご飯だけは受け入れられません・・・

日本のカラオケも楽しんでます

弘前は寒くない、むしろ暖かいです!私の故郷であるチチハル市(黒竜江省)は-30度、-40度まで落ちます。そこは逆に雪が少ないので、雪が降ると興奮して雪だるまを作ったり雪合戦で遊んだりしますが。弘前に来て雪が多くて道路が不便で初めて雪が嫌になりました、寒くないのはいいことですが・・・

弘前は交通が不便です、中国にいたときはどこに行くにもタクシーを使っていました。中国では150円の距離も弘前では1,500円になってしまい、それから乗っていません。
バスも乗り方が分からなくて、夏は自転車・冬は歩いて移動しています。

 

―延辺大学に留学したい人へ

私は今、チチハル市を離れて高速鉄道(日本の新幹線にあたる)で6時間距離の延辺大学の学生寮で暮らしていますが、食べ物、娯楽が大学周辺に集まっていてすごく便利です。物価もすごく安いです。1か月の滞在費の目安としては・・・丼ものが150円くらい、焼き肉はお肉だけ食べても一人300円で美味しくおなかいっぱいになれます。
移動はほぼタクシーで(本人談では弘前の1/10)。
カラオケは日本は一人ずつの値段だけど、中国は1部屋の値段なので、大人数で行ったらその分安くなるんです。一般的なところで1部屋1時間600円です。

延辺大学のキャンパスは弘前大学より大きくて、サッカー場が6、バレーボール場が10、バスケットボール場も10くらいあります。全学生が必須科目として体育があって、数十種類の中から私は卓球を選択しました。

学食がキャンパス内に3階建てで4つあって、まだ全部の学食を制覇できていないくらい大きいんです!もちろん安くておいしいですよ。

 

延辺大学日本語クラスでカラオケ大会に浴衣で参加

ベースも弾けます!

―将来の夢は?

学院運動会で優勝しました!

いくつか考えがあって、一番は大学の先生。中国で日本語教師になりたいです。次に地理的にも近い中日韓のために架け橋になるような仕事に就くこと、3つ目は外交官になりたいです。そのためにも最近は国際政治なども勉強しています。
1年間日本で暮らしてみて、日本に慣れるのか当てはまるのか確認してから将来を決めたいと思っています。

 

 

 

 

―これから留学を目指す人たちへ

留学したいという気持ちが湧いたあなたは賢くて運がいいと言いたいです。
いつも自分の国ばかりではなくて、たまには外の世界がどのように回るかその場に立ってみてください。絶対に自分が考えている世界ではなく、中国にいるだけなら視野も狭くて考えも短い。
日本に留学して地元の人たちと話してみて、また外国から来た留学生とも話して視野を広げて!!将来絶対役に立ちます。今は21世紀、グローバル化の時代ではこういう視野が絶対に必要なので留学に来て日本の生活を楽しんで頑張ってください。

グローバルを見据えた夢を抱えたキッショウさん、まだまだ留学生活は残っています。
夢に進めるよう着実に頑張ってください!

〇留学生インタビューvol.1 パク・スヒさんのインタビューはこちら